「完璧主義が辛いのは分かったけど、じゃあ具体的に何から始めたらいいの…?」
前回の記事を読んで、そう感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。完璧な自分を目指して頑張りすぎてしまうクセは、意識してもすぐには変えられないかもしれません。
でも、難しく考えずに、日常で試せるほんの小さなアクションを取り入れることで、少しずつ考え方や行動のパターンを変えていくことは可能です。
この記事では、完璧主義の考え方を「手放す」ための具体的な第一歩として、今日からでもすぐに試せる3つの簡単なヒントをご紹介します。これらのヒントを試すことで、心が少し軽くなったり、「これならできるかも」という小さな自信が生まれたりするきっかけになれば嬉しいです。
無理なく、あなたのペースで取り入れられるものから、一緒に見つけていきましょう!
なぜ「小さな一歩」から始めるのが大切なの?
完璧を目指すあまり、『失敗したらどうしよう』『どこから手をつけるのが”正解”なんだろう』などと考えすぎてしまい、あまりの目標の大きさに圧倒されて、結局、最初の一歩が踏み出せなくなってしまう…そんな経験はありませんか?
真面目で頑張り屋さんほど、そのプレッシャーに押しつぶされそうになることがありますよね。そんな時、難しく考えずに「まず、ほんの少しだけやってみる」という小さな一歩から始めることが、心をラクにするための、そして実際に行動するための、とても大切な鍵になるんです。
なぜなら、小さな一歩には、完璧主義の人が陥りやすい悪循環から抜け出すための、こんなメリットがあるからです。
大きな目標だと「ちゃんとやらなきゃ!」と気負ってしまいますが、「完璧じゃなくても、まずこの一部分だけ」「5分だけ」と考えると、驚くほど気軽に始めやすくなりますよね。最初の一歩さえ踏み出せれば、意外とそのまま続けられることもあります
完璧主義の人は、できたことより「できなかったこと」に目が向きがちです。でも、小さなステップなら「完了」させることが簡単です。その「私にもできた!」という小さな成功体験を重ねることで、「どうせ私なんて…」という気持ちが少しずつ薄れ、「私にもできるんだ」という自信が育っていきます。
「こんなの私には無理だ」と感じていることでも、ものすごく小さく分解した一歩なら、「これくらいなら…」と試せるかもしれません。その「意外とできた!」という経験が、「無理だと思っていたけど、やってみたらできた」という事実に変わり、ネガティブな思い込みを壊すきっかけになります。
目標が小さければ、失敗するリスクも小さくなりますし、たとえ上手くいかなくても、受け止めやすくなります。また、小さな「できた」が増えることで、自分を責めるネガティブな反省会の時間も自然と減っていきます。
このように、まずは無理なくできる「小さな一歩」から始めることで、心への負担を減らしながら、着実に行動できるようになっていきます。
では、具体的にどんな一歩から始めてみれば良いのでしょうか? 次の章で、心が軽くなる3つの簡単なアクションをご紹介しますね。
「完璧主義を手放す」アクション3選
完璧主義の考え方のクセに気づき、少しずつ手放していくための具体的なアクションは、難しいことばかりではありません。日常の中で、ちょっとした意識や行動を変えるだけで、心はずっと軽くなります。ここでは、今日からでも試せる簡単なアクションを3つご紹介しますね。
① まずは「できたこと」探し! 小さなOKを積み重ねる練習
一つ目は、自分のできなかったことや欠点ではなく、『できたこと』『良かったこと』に意識的に目を向ける練習です。
(なぜこれが効くの?)
完璧主義の人は、無意識のうちに「あれもダメだった」「これも足りない」とマイナス面ばかり探してしまいがちです。それでは、いくら頑張っても心が満たされませんよね。意識してプラスの面に目を向けることで、自己肯定感を少しずつ育て、自分を責めるクセを和らげることができます。
(具体的にどうやるの?)
例えば、一日の終わりに『今日できたこと』を3つ、どんな小さなことでも良いので書き出してみるのがおすすめです。
「朝ちゃんと起きられた」「〇〇さんに笑顔で挨拶できた」「ブログのアイデアを1つメモした」など、自分にとっては当たり前と思えるようなことでも全然OK!
そして、もし日中に『あぁ、今日はこれが出来なかった…』と落ち込みそうになったら、すかさず声に出して『いや、違った! 代わりに〇〇はできた!』と呟いてみるのも、私が実践して効果があった方法でもあります。声に出すことで、頭の中だけのネガティブな考えを、より意識的に打ち消しやすくなります。
続けるうちに、「意外とできてるじゃん、私」と自分に小さなOKを出せる回数が増えていきますよ。
② 他人と比べる自分に「待った!」をかける
二つ目は、無意識に「あの人はすごい、それに比べて私は…」と、自分と他人を比べて落ち込んでしまう思考に気づき、意識的にストップをかける練習です。
(なぜこれが効くの?)
完璧主義の人は、常に上を目指すあまり、自分にないものを持っている人や、自分よりうまくやっているように見える人と比べて、「自分はまだまだだ…」と劣等感を抱きやすい傾向があります。
でも、他の人と自分とでは、持っているものも、得意なことも、置かれている状況も、目指すものも、すべて違いますよね。比べても、自信を失ってしまうだけで、あまり良いことはありません。この考え方のクセに気づいて意識的に手放すことで、不要な落ち込みから自分を守り、心がすり減るのを防ぐことができます。
(具体的にどうやるの? – 考え方のヒント)
まず、人と比べて落ち込みそうになったら、「あ、今、私〇〇さんと自分を比べてるな」と、自分の思考の動きに気づくことから始めてみましょう。気づくだけでも大きな一歩です。
次に、「あの人と私とでは、状況も得意なことも、目指す場所も違うんだから、比べても仕方ないよね」と、心の中でそっと呟いてみます。
他の人のすごいところばかり見てしまう時は、意識して自分の「できたこと」(①で練習したことですね!)や「自分の良いところ」を思い出してみるのも効果的です。
もし、SNSなどを見て他人と比べてしまうことが多いなら、少しの間SNSから離れてみる、見る時間を決めるなども有効かもしれません。
③ 考えすぎて動けない時は「まず動く!」
三つ目は、頭の中で「ああでもない、こうでもない」と考えがぐるぐる回ってしまって、なかなか行動に移せない…そんな時に、意識的に「まず、何か体を動かす」というシンプルな方法です。
(なぜこれが効くの?)
完璧主義の人は、行動する前に「もっと良い方法はないか?」「失敗しないためにはどうすれば?」と考えすぎてしまい、その結果、かえって不安になったり、疲れてしまったりして動けなくなることがあります。
そんな時、一度ぐるぐる考えていることから意識をそらすために、ほんの小さな身体的なアクションを起こすことが有効です。気分転換になったり、思考のループが断ち切れたりして、意外とすんなり次の行動へのきっかけを掴みやすくなります。
(具体的にどうやるの? – 私の実体験より)
これは、私が実践して効果があった方法でもあります。例えば、こんな簡単なことでOKです。
- 考え込みそうになったら、すっと立ち上がってみる。
- キッチンへ行って、冷たい水を一杯飲む。
- 机の上のペンを一本だけ、ペン立てに戻すなど、ほんの1つだけ片付けをしてみる。
- その場で軽く手をブラブラさせたり、ぐーっと伸びをしたりする。
ポイントは、大きな行動である必要はないということです。「よし、やるぞ!」と気合を入れるのではなく、条件反射のように、考えすぎのサインを感じたら、まずサッと体を動かす。それだけで、固まっていた思考や気持ちが、ふっと動き出すことがありますよ。
無理なく続けるための小さなコツ
さて、ここまで完璧主義を手放すための簡単なアクションを3つご紹介しました。「これならできそうかも」と感じるものはありましたか?
でも、いざ始めてみても「なかなか続かない…」「意識していても、つい完璧を目指して頑張りすぎちゃう…」「今日はできなかった…」なんて日もあるかもしれません。
大丈夫です! 完璧主義を手放す練習も、完璧にやる必要は全くありません。
ここでは、これらのアクションを無理なく続けていくための、ちょっとした心構えのコツをお伝えしますね。
1.全部いっぺんにやろうとしない
まず大切なのは、「全部を一度に完璧にやろう!」と意気込まないことです。今日ご紹介した3つのアクションも、「全部やらなきゃ!」と思うと、それがまた新たなプレッシャーになってしまいます。
まずは「これなら一番できそうかな」と感じるものを一つだけ選んで、それを意識して試してみることから始めましょう。「ちょっとずつ」で大丈夫です。一つが少し習慣になってきたら、次を試してみる、くらいのゆるやかな気持ちでOKです。
2.できない日があっても、自分を責めない
そして、これが一番大切かもしれません。「できなかった日」があっても、絶対に自分を責めないでくださいね。
私たちは人間ですから、疲れている日もあれば、気分が乗らない日もあります。そんな時に「あぁ、今日もできなかった…やっぱり私はダメだ」と落ち込んでしまうのは、完璧主義のワナにまたハマってしまうことになります。
「今日は疲れちゃったから、まあいっか」「そういう日もあるよね」「また明日、少しだけ意識してみよう」そんな風に、今の自分に優しくOKを出してあげること。それが、結局は長く続けるための何よりの秘訣です。
小さな「できた」を褒めてあげるのと同じくらい、「できなくてもOK」と許してあげることも、とっても大切なんですよ。
3.「ちょっとずつ、ちょうどよく」を合言葉に
まさに、このブログのテーマでもある『ちょっとずつ、ちょうどよく』の精神です。
完璧を目指して100点を取る必要はありません。0点か100点かではなく、今の自分にできる範囲で、1点でも5点でも、ほんの少しでも前に進めたら、それで十分なんです。
焦らず、人と比べず、ご自身のペースを大切にしながら、試してみてくださいね。その積み重ねが、気づいた時には、きっと大きな心の変化に繋がっていますから。
おわりに
この記事では、「完璧主義を手放すための簡単な第一歩」として、今日からでも試せる3つの具体的なヒントをご紹介しました。
完璧を目指しすぎると、「ちゃんとできない自分」を責めてしまったり、失敗を恐れて行動できなくなったりして、心が疲れてしまいます。大切なのは、完璧を求める考え方のクセに気づき、「完璧じゃなくても大丈夫」と自分に許可を出してあげることかもしれません。
「これしかできなかった…」ではなく、「これだけできた!」と、できたことに目を向ける。その小さな考え方の変化が、自分を責めるループから抜け出し、心を軽くするための大きな一歩になります。
もちろん、目標を高く持って努力することや、物事を丁寧にやろうとすることは、素晴らしいことです。完璧を目指すこと自体が、必ずしも悪いわけではありません。ただ、その「完璧を目指す気持ち」が、自分を追い詰めたり、行動を止めたりする原因になっているのなら、少しだけ考え方を見直してみる価値はあるかもしれません。
今日から少しだけ、「できなかったこと」より「できたこと」に目を向けて、自分に優しくする時間を取ってみませんか? きっと心が軽くなるのを感じられるはずです。
この記事が、少しでもあなたの心を軽くするきっかけや、「自分だけじゃないんだ」と思える安心感につながれば、とても嬉しいです。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。