ステップ1の体重記録に続いて記録する習慣が身についてきたら、いよいよ次は「食事」に目を向けていきましょう。
でも、ここで焦って「あれはダメ、これはダメ」と食事制限を始めるのは、ちょっと待ってください! 【ダイエットステップ2】で何より大切なのは、「まず今の食事内容を変えずに、ありのままを記録してみる」ことなんです。
なぜなら、今のリアルな食生活を「見える化」して比較データとして持つことが、重要な現状把握に繋がります。この現状把握のステップがあるからこそ、やみくもなダイエットに陥るのを防ぎ、後で本当に効果的な改善ヒントを見つけることができるのです。
この記事では、なぜ食事を変える前に記録することが大切なのか、具体的な記録のコツ、そしてその記録からどんな「改善ヒント」が見えてくるのかを、私の体験談を交えながら詳しくお伝えします。
なぜすぐに食事を変えないの?「現状把握」が大切な理由
ダイエットを始めると、「よし、今日からお菓子は禁止!」「明日から炭水化物を抜こう!」というように、すぐに何かを制限したり、変えたりしたくなりますよね。
早く結果を出したいというその気持ち、よく分かります。
でも、ここで一度、行動を起こす前にご自身の食事内容を客観的に見てみるのも良いかもしれません。
なぜなら、現状を知らないまま何かを変えようとしても、思ったような効果に繋がりにくかったり、無理が生じてしまったりすることもあるからです。
「比較データ」がないと、効果がわからない!
ステップ2で「食事を変えずに、まず記録する」ことの一番大きな理由は、この「比較データ」を作ることです。
今の「ありのままの食事」(これがダイエットを始める前の基準点、ベースラインになります)を記録として残しておくことで、今後、食事内容を少し変えてみたときに、「前の食事と比べて、こう変えたら体重や体調にどんな変化があったか」を具体的に比較することができます。
もしこの比較ができなければ、「頑張って食事を変えたつもりなのに、なぜか体重が減らない…」「何が良くて何が良くなかったんだろう?」と、効果を正しく判断できずに悩んでしまうかもしれません。
ベースラインがあるからこそ、変化の意味が分かるのです。
やみくもな努力を避けるため
もう一つの大切な理由は、やみくもなダイエットを避けるということです。
自分の食生活の現状を知らないまま、「テレビで〇〇が良いって言ってたから」「△△は太るらしいからやめよう」という断片的な情報だけで食事を変えても、それが今の自分にとって本当に必要な改善点とは限りませんよね。
もしかしたら、頑張って制限しているつもりが、全然見当違いの努力になっている可能性だってあります。
私も過去には、流行りの「単品ダイエット」や「極端なカロリー制限」に手を出しては、「辛いだけで全然効果を感じられない…」「やめた途端にリバウンド…」といった苦い経験を繰り返してきました。
ですが、50代を迎え「これが最後のダイエット!」と決意した今回のダイエットでは、まず食事記録で「今の自分」の食生活としっかり向き合うことから始めたので、「なるほど、私の場合はここが改善ポイントになりそうだ」「これなら無理なく変えられるかも」という、自分にとって的確な改善点を、以前よりずっと冷静に見つけることができました。
まずは現状把握!
これが、一見遠回りに見えるかもしれませんが、実は一番確実で、無理なく続けられるダイエットへの大切な土台作りになるんです。
誰でも簡単!「食事記録」の具体的な方法とコツ
「食事記録って、なんだか面倒くさそう…」
「食べたもの全部なんて、覚えてられないかも」
…そんな風に感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。
このステップ2で行う食事記録は、とにかく簡単に、負担なくできることが何より大切です。
なぜなら、ここで「記録が面倒だ…」と感じて挫折してしまっては、せっかくの現状把握ができなくなってしまうからです。
大切なのは、「正直に」「いつも通り」の食事を、無理なく記録して現状を把握することです。
具体的な記録方法
私が実際に試してみて「これなら楽だな」「続けやすいな」と感じたのは、主に以下の2つの方法です。
① 写真で撮るだけ!
個人的には、これが一番簡単でおすすめです。
朝・昼・晩の食事はもちろん、おやつや仕事の合間につまんだもの、飲み物なども、口にする前にスマートフォンのカメラでパシャリと写真を撮って保存しておくだけ。
何をどのくらい食べたか、後で見返すのも簡単です。写真を撮る、という行為だけでも、少し食べるものへの意識が変わってくるかもしれません。
② メモに書き出す
写真を撮るのが難しい状況や、より詳しく記録したい場合は、ノートや手帳、スマートフォンのメモアプリなどに書き出す方法もあります。
「いつ(大体の時間)」「何を」「どのくらい(ざっくりでOK)」食べたかを簡単にメモします。
この時点では、カロリーや栄養素まで細かく書く必要はありません。
「食パン1枚、カフェラテ」「コンビニおにぎり1個、鶏の唐揚げ2個、お茶」のような感じで十分です。
ダイエットアプリについて
最近は便利なダイエットアプリもたくさんありますよね。
食べたものを選んで記録できたりして、とても高機能です。ただ、多くのアプリでは、最初に目標体重やカロリーを設定したり、記録した食品のカロリーが自動で表示されたりします。
このステップ2の目的は、あくまでも「カロリーなどを気にせず、ありのままの食事を記録して現状を知る」ことなので、カロリー表示などが気になってしまうと、本来の目的から少しずれてしまうかもしれません。
もし、カロリー表示などを気にせずに「食べたものの記録」だけにアプリを使えるのであれば、選択肢の一つにはなるでしょう。
ですが、本格的なカロリー管理や栄養バランスのチェックは、現状把握ができた次のステップで行う方が効果的だと私は考えています。
まずはシンプルな記録方法から始めてみるのがおすすめです。
どちらか一方でも良いですし、「基本は写真だけど、撮り忘れたらメモする」のように組み合わせてもOKです。
ご自身の生活スタイルに合わせて、ストレスなく実行できる方を選んでみてくださいね。
記録する期間はどのくらい?
まずは「3日間」を目安に始めてみましょう。
もし「これなら続けられそう」と感じたら、平日と休日の食事内容の違いも把握できるとより参考になるので、「1週間」記録してみるのが理想的かもしれません。
でも、繰り返しになりますが、無理は禁物です。まずは3日間続けることを目標にしてみましょう。
大切なコツ:「いつも通り」を記録する!
そして、この食事記録期間中で絶対に守ってほしい、大切なコツがあります。
それは、「記録するからといって、食べる内容をいつもより良くしようと見栄を張らない」ことです!
「記録するんだから、ちょっと野菜を多めにしなきゃ…」「今日はおやつを我慢したことにしよう…」なんて、つい考えてしまうかもしれません。
でも、それでは「ありのままの普段の食生活」のデータが取れなくなってしまいますよね。
このステップ2の目的は、あくまでも「現状把握」です。その食事が良いか悪いかを判断するのは、まだ先のこと。
いつも通りの食事を、正直に記録する。これが、次の改善ステップに繋がる、本当に価値のあるデータを集めるための最大のコツなのです。
食事記録から発見できる「改善ヒント」
さて、3日間から1週間、ありのままの食事を記録したら、次はその記録を客観的に見返すという作業に入ります。
一見地味な作業に見えるかもしれませんが、ここから多くの「改善ヒント」が見つかる、重要なプロセスなのです。
「思い込み」ではなく「事実」が見える
普段、私たちは自分の食事内容を意外と把握できていないものです。
「私はそんなにたくさん食べていないはず」「野菜もしっかり摂っているつもり」「バランスは悪くないと思うんだけどな…」などと、無意識に思い込んでいることも少なくありません。
食事記録は、私たちの「思い込み」や「曖昧な記憶」をリセットしてくれる、「事実」のデータそのものです。
書き出したメモや撮りためた写真を見返してみると、「あれ?こんなものも食べてたんだ」「この日は思ったより全体的に量が多かったな…」「この時間にも何か口にしていたのか…」など、記憶だけでは気づかなかったリアルな食生活が、そこにはっきりと映し出されています。
無意識のうちに習慣になっていたことや、「ほんのちょっとだけ」と思っていた間食などが、具体的に「見える化」されるんですね。
具体的な「改善ヒント」の発見例
では、記録を見返すことで、具体的にどんな「改善ヒント」が見つかる可能性があるでしょうか?
これは人それぞれ違いますが、私自身の経験や、多くの方に見られがちな例としては、以下のようなものがあります。
特定のものの摂りすぎに気づく
「甘いカフェラテやジュースのような飲み物を、ほぼ毎日飲んでいた…」
「夕食後に食べるお菓子やアイスが、知らず知らずのうちに習慣化していた!」
「お昼ご飯は、いつも麺類や丼物ばかりで、炭水化物に偏っていたかもしれない…」
食べる時間や量の偏りに気づく
「朝食は抜きがち(またはとても軽い)なのに、その反動か、夜にたくさん食べてしまっていた…」
「一食の量は普通に見えても、ちょこちょこ間食が多くて、合計すると結構な量になっていた…」
内容の偏り(バランス)に気づく
「記録を並べてみたら、思った以上に緑色の野菜が食卓に登場していない日が多いな…」
「お肉は比較的よく食べているけれど、魚や大豆製品はあまり食卓に上がっていなかった…」
(※ここで「栄養バランスが偏っているかも」と感じるかもしれませんね)
具体的な改善アイデアが浮かぶ
「毎日食べているこのお菓子を、まずは週に3回に減らすことからなら始められそう」
「いつも飲んでいる甘い飲み物を、無糖のお茶か水に変えることはできそうだな」
「外食やコンビニ食が思ったより多いから、週に〇回は自炊するのを目標にしてみるのはどうだろう?」
このように、記録を見返すことで、「なんとなく太りやすい体質な気がする」「どうして痩せないんだろう」といった漠然とした不安や疑問が、「なるほど、ここが私の食生活の課題だったのかもしれない!」「ここを変えればいいんだ!」という具体的な気づきに変わっていきます。
これが、次の改善ステップに繋がる、あなただけの貴重な「改善ヒント」になるのです。
「自分を知る」から始めよう!やみくもダイエット卒業
ここまで、ステップ2として「食事を変えずに記録する」ことの重要性や、記録から見えてくることについてお話ししてきました。
もしかしたら、「ちょっと面倒だな」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、この一見地味な「現状把握」のステップがあるからこそ、私たちは根拠のない情報に振り回される「やみくもなダイエット」から卒業できるのだと、私は強く考えています。
流行りではなく「自分に合った方法」が見つかる
世の中には、「〇〇を食べるだけで痩せる!」「△△制限をすればマイナス〇キロ確実!」といった、魅力的なダイエット情報が本当にたくさん溢れていますよね。
テレビやSNSで見かけると、つい「簡単そうだし、試してみようかな?」と思ってしまうものです。でも、その方法が、本当に今の自分にとって効果的なのか、続けられるものなのかは、やってみないと分かりません。
その点、食事記録を通して「自分の食べ方のクセ」や「課題となりそうな具体的なポイント」を客観的に把握していればどうでしょうか?
流行や他人の成功体験に安易に飛びつくのではなく、「私の場合は、まずここから改善していくのが良さそうだ」「この方法なら、今の生活に取り入れられそうだ」という、自分自身の状況に基づいた、具体的な改善策を見つけ出すことができます。
納得感があるから、続けやすい
そして何より、自分で記録し、自分で「なるほど!」と気づいた課題に対する改善策だからこそ、「よし、やってみよう!」という納得感を持って、次のステップに進むことができるんです。
誰かから「これをやりなさい」と一方的に言われた方法ではなく、「自分の記録を見ると、確かにここが問題点だから、こう変えてみる価値はありそうだ」と、自分自身で判断し、選択できる。
この主体性や納得感こそが、ダイエットを無理なく、そして「やらされ感」なく続けていくための、実はとても大きなモチベーションになると、私は経験を通して感じています。
例えば、50代を迎え「これが最後のダイエット!」と決意した私の場合も、食事記録があったからこそ、「まずはほぼ毎日飲んでいた甘いカフェラテを、無糖のものに変えることから始めてみようかな」とか、「夕食で無意識におかわりしていたご飯を、まずはやめてみよう」といった、具体的で、かつ自分にとってハードルが高すぎない、小さな目標を立てることができました。
もし記録がなければ、「一体、何から手をつけて改善すればいいんだろう…?」と、きっと途方に暮れていたと思います。
「急がば回れ」ということわざがありますが、ダイエットにおいても、本格的な行動(食事改善など)を起こす前に、まず「今の自分を知る」というステップを丁寧に踏むことが、結果的に見ると、無理なく、そして着実に理想の自分に近づくための一番の近道なのかもしれません。
【まとめ】
今回は、ダイエットステップ2として、「本格的な食事改善を始める前に、まず今の食事内容を変えずに記録して、現状を把握する」ことの大切さと、その具体的な方法についてお話ししました。
ステップ1の体重記録と並行して、まずは3日間~1週間を目安に、食べたものを写真やメモで「ありのまま」記録してみましょう。
これが、やみくもなダイエットを避け、後で自分に合った改善策を見つけ出すための大切な「比較データ」となり、「現状把握」に繋がっていきます。
このステップで一番意識していただきたいのは、記録した内容を見て「こんなに食べてるなんてダメだ…」などと評価したり、落ち込んだりしないことです。
ここでの目的は、あくまでも「今の自分の食生活を客観的に知ること」。
少し距離を置いて、「へえ、私は普段こんなものを、これくらいの時間に、これくらい食べているんだな」と、事実を確認するような感覚で大丈夫です。
完璧に記録できなくても全く問題ありませんので、まずは気軽に始めてみてくださいね。
さて、こうして食事記録を通して、ご自身のリアルな食生活が見えてきたら、いよいよ次は具体的な「改善」へと進むステップ(ステップ3)です!
記録から見つけた『改善ヒント』の中から、まずは「これなら無理なく変えられそう」と思える1つのことに試しにチャレンジしてみませんか?
その具体的な始め方や、何を選ぶと良いかについて、また次回、私の体験談を交えながら詳しくお話ししたいと思います。ぜひ、また読みに来てくださいね!
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